ヒロインセミナー 井手上漠さん

2023.10.31

 10月19日木曜日、ヒロインセミナーを行いました。
 今回はジェンダーレスモデル・タレントとして活躍されている井手上漠さんをお招きして、「ジェンダーレスな世界と多様性」をテーマにご講演いただきました。
 井手上さんは、幼いころプリキュアが好きでサッカーをするよりお人形で遊ぶ方が楽しかったそうです。そんな井手上さんが「自分は人とは違う。変わっているのかも」と自身の性別に違和感を持ち始めたのは小学校高学年の頃。周りの子から「気持ち悪い」と言われたことがきっかけでした。とても傷つき、本当の自分を閉じ込め、色のない、白黒の日々を過ごしていました。しかし、お母さんに「漠は漠のままでいいんだよ」と言われたことで、自分の味方ができた!母が味方なら怖いものがない!と思い、自分がやりたいことをしようと思えたそうです。そこからの生活は『カラフル』になったと語っておられました。
 中学生になってからは自分らしくあるためにはどのように振る舞えばよいのかについて悩んだ経験を元に、作文『カラフル』を書きました。作文を読んだ国語教師の薦めで、『第39回少年の主張全国大会』に出場し、見事、文部科学大臣賞を受賞されました。
 高校時代は、同じような思いで苦しんでいる友人から相談をうけ、制服改革に奔走。男子用・女子用ではなく、タイプ1・タイプ2と、好きな制服が選べるように校則を変えるべく活動されました。価値観や違う時代を生きてきた先生方と意見がぶつかることもあったそうですが、わからないのはあたりまえであり、だからこそ理解でなく認め合うことが大切だと話されていました。高校1年生から始めた制服改革は高校3年生のときに実現されたそうです。
 人はよく何かの型にはめて考えようとします。しかし、自分と同じ人はどこを探してもいない。違いがあるからこそもっと知りたいという気持ちが生まれます。一人ひとりが自分を自由に表現することができる社会を目指して、お互いを認め合う気持ちを持つことが大切だと、井手上さんはおっしゃっておられました。