滝井通信

あー夏休み

2023.07.20

 みなさん、おはようございます。校長の松下です。
 今日は、1学期の終業式です。いよいよ明日からは夏休みですね。みなさん1学期はどうだったでしょうか。十分に満足の行く学校生活を送れましたか?

 以前、みなさんには「振り返りができる人」という話をしたのですが、覚えていますか?
 うまく行ったことも、そうでないことも、区切りの時に振り返り(reflection)をし、どうするべきであったのかを考え、次に生かしていくことが大事。そういう話でした。
 1学期の終業式にあたり、1学期の自分につき、しっかりと振り返りをしてほしいと思います。
 
 さて、明日から夏休みです。みなさん、今年の夏休みは何日あると思いますか?数えてみたんですが、今年は35日あります。
 でも夏休みって何であるんでしょうね? 冬休みは年末年始で世の中全体が休みだし、春休みも各学年の最後と最初のタイミングなので、休みがあるのも分かります。でも、夏休みはどうして1年の途中なのに、1ヶ月以上も休みになるんでしょうか。
 それには色々な説があるようですが、有力なのは、「外国の人がそう言ったから」というのと「暑いから」の二つだそうです。

 夏休みは、今からおおよそ140年前、明治14年に制定されました。江戸時代までは、夏休みは無かったんですね。
 明治維新後、日本は近代化を進めるため、様々な改革を行いましたが、教育改革もその一つです。欧米諸国の教育制度を真似て、日本の学校制度も作りました。
 日本の学校は、4月から新しい年度がスタートしますが、欧米諸国の学校は9月スタートです。つまり、年度が終わるタイミングの7月・8月に、まとまった休み、夏休みを取っていたわけです。
 日本が新しい学校制度を立ち上げた時期には、多くの外国人教師を招いていました。そうした外国人教師が、母国と同じ夏休みを要求したというのが、一つ目の理由です。

 二つ目は、「夏は暑いから」ですが、昔は教室にエアコンなんかありませんでした。私が高校生の時でもまだ無かったですよ。教室が暑すぎて勉強にならないということで、1年で最も暑い時期が休みなっていたわけです。
 しかし、今は教室にエアコンもあるし、暑いから…というだけでは夏休みがある理由にはなりません。では、エアコンが付いた今でも夏休みはあるのはなぜなのか。それは、昔とはまた違う位置づけが夏休みにあるからです。


 学校教育法という法律に、夏休みの目的は次のように定義されています。
 ①心身の休養、②通常の学校生活では経験できない活動の実施、③自主・自律の生活態度の形成の3つです。

 まず1つ目、「心身の休養」、大事ですね。1学期はみなさん頑張りましたね。2学期以降に向けて、「心と体をリフレッシュ」しましょうということです。

 2つ目の「通常の学校生活では経験できない活動の実施」も分かりやすいですよね。旅行をしたり、キャンプに行ったり、色々なイベントに参加したりと、普段ではなかなか出来ない体験に、長い夏休みを利用してチャレンジしましょうということです。
 しかし、みなさんは高校3年生。今年の夏休みは、ここに重きをおく夏休みではありません。みなさんの希望進路の実現に向けて、そして自らをさらに成長させるために、勉強をする夏休みです。
 よく「勝負の夏」と言いますが、私もその通りだと思います。私も高校3年生の夏休みは勉強しました。私の人生で一番勉強したと言い切れるくらい勉強しました。一生懸命勉強したという経験はとても貴重なものです。それも青春の1ページです。

 一生懸命勉強したという思いは、自信にもなりました。それで残りの高校生活も充実しましたし、結果として自分の進路希望を実現させることもできました。またこの頑張りは、その後の人生にも生きてきます。みなさんもそう思えば、勉強にも励めるはずです。

 その時に大事になるのが、夏休みの目的の3つ目、「自主・自律の生活態度の形成」です。つまり、「自由な時間を自分で考えて計画的に過ごす」ということです。
 夏休みは長いです。スタート時にはやる気満々でも、それをずっと維持することはなかなか難しいものです。色々な誘惑もあるでしょう。
 夏休みを通した計画を立て、そのスケジュールに沿って勉強する。また、自分なりの勉強ルールを作るのもいいと思います。
 先生方からアドバイスもあると思いますが、夏休みは基礎固めをしっかりとやってください。日数がたっぷりあることを活用して、高1・高2で習ったことも含めて、自分は全部理解出来ているのか、しっかりと確認してください。
 みなさんの力はまだこれから大きく伸ばすことができますが、それもこの夏休みの基礎固めが出来ているか否かがとても大きく影響します。自分の人生にとって大事な夏を後悔の無いものにするために、自主・自律の精神でみなさん頑張ってください。

 勉強を頑張るにも、オン・オフのメリハリは必要です。オープンキャンパスに出かけてモチベーションを上げてもいいですし、家族との時間を大切にするのもいいでしょう。何かプチ初体験を考えてもいいかもしれません。お菓子を作るとか、自力で日帰り旅をしてみるとか、ぜひ勉強への意欲につながる「心と体のリフレッシュ」を考えてみてください。

 それでは、私の話は以上になります。
 高校生最後の夏休み、みなさんぜひ思い出に残る有意義な夏休みにしてください。
 また、2学期の始業式でみなさんの元気な顔を見られることを楽しみにしています。どうもありがとうございました。