滝井通信

凛とした人

2020.11.16

 みなさん、おはようございます。校長の松下です。

 突然ですが、わたしにはひとり娘がいます。名前は「凛」と言います。滝井の「凛とした美しい人になる」の「凛」とまったく同じ字の「凛」です。みなさんの中にも「凛」さんは何人かいらっしゃいますが、毎日学校に来るたびに、娘の名前がポスターなど色々な所に書いてあるので、少し変な感じがします。自分の娘の名前と滝井の教育理念を象徴する言葉が同じというのは、もちろんまったくの偶然です。しかし、娘が生まれた時に私が娘にかけた思いと、滝井が描くみなさんにこうした女性になって欲しいという理想の姿が同じだということには、何か運命のような巡り合わせでもあるな、と感慨深くも感じています。

 わたしは、ある三つの思いをもって娘の名前を「凛」と名付けました。一つは、「凛とした人になって欲しい」という思い、もう一つは、「いつも、りんちゃん、りんと、下の名前で呼ばれるような、誰からも愛される人になって欲しい」という思い、三つ目は、「外国の人からも覚えてもらいやすい名前で、国際性豊かな人になって欲しい」という思いです。娘も今年成人式を迎え、大人の仲間入りをしました。名付けた時の親の思いを知っているかどうかは別として、「凛」という名前はとても好きなようです。名前の通り、ぜひとも「凛とした人」になってほしいなと願っています。

 みなさん、ところで「凛とした人」とか「凛々しい人」というと、どんなイメージを持ちますか?「かっこいい人」とか「シュッとした人」とか、何となく宝塚のトップスターとか、そんなイメージでしょうか?

 みなさんは、「凛」という漢字の元々の意味を知っていますか?「凛」の漢字の部首は「にすい」です。「さんずい」は水を表す部首ですが、「にすい」は氷を表す部首です。「凍る」という漢字の部首も「にすい」ですよね。一方で、「凛(凜)」の漢字のつくり、「稟」は元々どういう意味でしょうか?「稟」は元々、米倉を表します。その機能的な形から「多くのものを一所に集める」、そこから「引き締める」というイメージに転化しました。「凛」という漢字は、冷たい水に触れて心身から引き締まる状況を示した漢字です。そうした経緯でできた「凛」という漢字ですが、「凛とした」という言葉を辞書で引くと、「態度や様子が引き締まっていること、しっかりしている様子」と書いてあります。確かにその通りだと思いますが、ではどうしたらそういう態度や様子が取れるのでしょうか。
 わたしは、「凛とした人」とは自分に自信を持っている人だと思います。自分に自信があるということは、自分の考えや思いをしっかりと持てているからです。またそうした人は人にも優しいです。思いやりをもって接することができます。だから、周りから見ていても「あの人、かっこいいな」「凛とした人」だなと思えるのです。

 みなさん、みなさんはまだ高校生。可能性は無限大に広がっています。みなさんそれぞれの学校生活を送っていく中で、色々なことにチャレンジして、自分のやりたいことや熱中して取り組んでいけることを見つけていきましょう。きっとそこから自ら考える力や行動力も身に付いてくるはずです。そうすれば自然と「凛とした人」になっていけると思いますよ。みなさん、頑張りましょう。
 以上、「凛とした人」応援団長の松下でした。今日のわたしの話は以上です。どうもありがとうございました。