滝井通信

カメはなぜウサギに勝てたのか

2022.06.01

 みなさん、おはようございます。校長の松下です。
 さて、昨日は校外学習でしたね。みなさん、どうでしたか。楽しかったですか。きっと楽しい思い出がたくさんできたことでしょう。
 先週金曜日には、ヒロインセミナーもありましたね。ホームレス問題に取り組む川口加奈さんでした。みなさん、川口さんのお話し覚えていますか。
 今年度のヒロインセミナーは、タレントの中川翔子さん、そして川口加奈さんと続きましたが、二人のお話を聞いていて、共通点が多いなと思いました。今日はそんな話をしてみます。

 突然ですが、みなさん、イソップ童話の「ウサギとカメ」の話は知っていますか。
 あるところに、足の速いウサギと、足の遅いカメがいました。ウサギに馬鹿にされてしまったカメは、かけっこの勝負をしようと提案します。ウサギは、自分が負けるわけはないと笑い、いざかけっこを始めるとどんどん先へ進んでいきます。あっという間に引き離し、カメの姿が見えないところまでやって来ると、余裕で勝てると思ったウサギは、休憩がてら居眠りを始めます。一方のカメは、その間も着実に歩みを進めていました。そしてウサギが目を覚ますと、すでにカメはゴールをしていて、ウサギは負けてしまった。こんな話でしたね。

 では、どうしてウサギはのろまなカメに負けてしまったんでしょう?どうですか、みなさん分かりますか?
 そんなの簡単だ。足の速いウサギはいつでも勝てると油断があった。この話は、人生油断してはいけないという教訓だ。みなさん、そう考えますよね。大正解です。
 しかし、みなさんはもう高校生。この童話をもう少し大人の解釈をしてみましょう。

 童話の中での相手はウサギでしたが、カメにとって相手は象でもライオンでもよかったはずです。
 なぜなら、カメは一度も相手を見ていないからです。カメはゴールの旗が立っている山の頂上、つまり人生の目標だけを見つめて歩き続けたわけです。
 一方のウサギはカメのことを気にしてばかり。大切な人生の目標を一度も考えることをしませんでした。

 つまり、この童話のもう一つの解釈は、みなさんの人生の目標は、自分で定めるもの。人まねをすることでも、人と比べて決めることでもない。賢いカメになって歩き続けなさい、ということです。

 みなさん、中川翔子さんと川口加奈さんのお話を思い出してください。お二人とも自分の好きなことややりたいことにのめり込んでますよね。また、自分のやりたいことだから、素晴らしいまでの行動力も発揮できるし、それを通じてどんどん成長していける。あんなに生き生きとした表情で話ができるなんて、うらやましいくらいですよね。そこに人がどうこうとか、まるで関係ないです。

 人間の悩みや妬みは、すべて他人との比較から生じると言われています。
 みなさんにも、人の目を気にしたり、人との比較で悩んだりすることなく、自分のやりたいことを見つけて、そこに向かってどんどんチャレンジしていってほしいなと思います。
 私もやりたいことはいっぱいあるので、みなさんに負けずに頑張ります。


 さて、今日から6月です。もうすぐ梅雨に入り、うっとうしい日が続きますが、今月も色々な行事があります。梅雨空を吹っ飛ばすくらいのみなさんの元気で、今月も学校活動を盛り上げていきましょう。
 それでは、私の話は以上です。どうもありがとうございました。