滝井通信

タイムマネジメント

2022.02.01

 みなさん、おはようございます。校長の松下です。
 今日から2月、今年度もあと2か月となりました。3年生のみなさんは今月21日には卒業式を迎えられますので、1年生から3年生まで全学年がそろって合同朝礼ができるのは今日が最後になります。

 3年生のみなさんは、4月からはそれぞれ新しい道に進み、大人への階段を上っていくわけですが、今日はそんな3年生のみなさんにはもちろん、また1年生2年生のみなさんにも今から心掛けておいてほしい、とても大事な話しをしたいと思います。
 それは「タイムマネジメント」です。

 「タイムマネジメント」、みなさん分かりますか? そう、「時間管理」のことですね。

 みなさんが将来、社会と関りをもつようになった時に、必ず身につけておかなければならず、またとても重要になるのが、この「タイムマネジメント」です。
 “いつも忙しくて時間が無い” “なかなか自分の時間が持てない”、これは仕事ができない人の決まり文句です。ではなぜこうした人たちは“いつも忙しくて自分の時間が持てないのか”、それは「1日、24時間」という時間がみな平等だと思っているからです。これはとんでもない誤解で、実は時間ほど不平等なものはないのです。

 そこで、今日はみなさんに、私から将来必ず役に立つ「タイムマネジメント」術を伝授します。
 私が長年会社勤めをしていた際に、伸びる若者とつまづく若者の差はまずここにあると常々思っていたことですので、よく聞いてください。
 「タイムマネジメント」力を上げるうえでみなさんに意識してもらいたいこと、それは「期限を守る」ということです。
 なんだそんなことか、と思うかもしれませんが、実際の仕事においては、「期限を守る」ことは恐ろしく難しいことです。実際、自分の予定通りに仕事を進められる日が一週間にどれだけあるか。予定外や想定外のことがしょっちゅう発生し、予定していた仕事の何割もこなせなかったという毎日の繰り返しなることの方が多いのです。多分、先生方は今、うんうんと頷いているはずです。
 ゆえに、よっぽど自分自身が何がなんでも「期限を守る」ということにこだわって仕事をしていないと、すべての「期限を守る」ことは容易なことではありません。期限が守れなくなると仕事は後ズレしていき、結果やりかけの仕事をたくさん抱えることになります。そうなると、たまった仕事の処理に追われ、“いつも忙しくて時間が無い”ということになってしまうわけです。

 『孫子』という書物に「巧遅は拙速に如かず」という言葉があります。どんなに上手でも完成まで時間が掛かり過ぎるよりは下手でも早い方が良い、という意味です。質がどうでもいいわけではありませんが、締め切りがある仕事においては、それを守れなければ何もしないのと同じです。
 「なるほど、よく分かった。じゃあ、将来働くようになったらそうしよう」と思ったあなた!いますよね。それは大間違いですよ。
 今、「期限を守る」ことが出来ていない人、ほぼそのままの確率で、仕事をするようになっても「期限を守る」ことが出来ないと思ってください。
 私は前職の会社員時代に、毎年多くの新入社員を見てきましたが、期限を“守れる人”と“守れない人”ははっきりと分かれます。また“守れない人”は何度指導してもそれが直らない、本人が守りたくても“守れない人”がほとんどです。これはつまり、小さな頃から自分の生活や考え方に染み付き習慣化したものは、なかなか脱ぎ捨てることができない、変えることはできないということを意味しています。


 話しのついでに、「期限を守る」ことについて、「タイムマネジメント」力向上以外の別の効用の話もしてみましょう。「期限を守る」ことは「自信と信頼」の獲得につながるという話です。
 これまでお話してきた通り、「期限を守る」ということは実はすごく難しいことです。働き始めてからは特にそうです。その難しい「期限を守る」ということが常にできていれば、自ずと自分に自信が持てるようになります。
 また、常に「期限を守る」人は、周りからどう見られるでしょう?そう、“この人に仕事を任しておけば安心だ” “いつもきっちりと仕事を進めてくれる” と厚い信頼を得られるわけです。

 自分に「自信」が持て、人からは「信頼」される、こんなに強いことはないですよね。これは今のみなさんでも同じですよ。期限をしっかり守っていれば「自信」と「信頼」を得られます。
 みなさん、滝井での学校生活にある様々な期限、ちゃんと守っていますか?
 学校はみなさんの将来の役に立つ社会適応能力を高める場でもあります。「期限を守る」かどうかは、みなさん自身のこだわりと意欲の問題です。将来、みなさんが社会で活躍できるようになるためにも、ぜひ「期限を守る」ということを強く意識してみてください。

 今日の私の話は以上です。どうもありがとうございました。