滝井の人

私とギター

2021.07.06

 みなさんこんにちは。国語を担当している柴田です。1・2年のみなさんは、ネクタイの先生と言ったらわかるかもしれません。ネクタイのことについては、また次の機会にお話ししましょう。「今回は、私とギター」というテーマでお話しさせていただきます。
 私がギターを手にしたのは、高校1年の夏でした。小学校はよくしゃべる生徒だったのですが、中学になってすっかり口数が減って、一人前に反抗期を迎えてから、自分の中の思いを表に出すことを考えたとき、「そうだ! オリジナル曲を作ろう!」と(突飛な)発想がひらめいたのです。音楽のことは何もわからなかったのですが、とりあえず手元にあったのはリコーダーでした。メロディーを考えては指を動かして曲を作ろうとするのですが、そのとき、リコーダーでは歌えないということに気づきました。ショックでした(笑)。それで、高校に入学して、1年生の夏休みに鉄工所でアルバイトをし、そのお金で初めてギターを買いました。YAMAKIというメーカーの20,000円のギターでした。それからは、一人で家に籠って、夢中でギターを弾きまくる夏休みを過ごしました。当時は軽音楽部やギター部といったものもなく、独学で練習していました。大好きなアーティストの曲を追っかけて、少しずつ弾ける曲が増えていくことがうれしくて、ますます夢中になっていきました。友人を巻き込んで文化祭の舞台に出たり、校内で突然ギターを持ってゲリラライブをしたり、大阪城公園にギターをぶら下げて行ってそこでたむろってる大学生とギター弾いたり、ラジオ番組で(当時はテレビ出演なんて考えられなかったので)演奏したり。今振り返ると、高校生活は夢中で何かを追っかけていたように思います。そのとき、いつも一緒にいた友人は、唯一の音楽仲間でした。最初は自己主張ばかりで、お互い毛嫌いしていたのですが、いつの間にかお互い良い相棒になっていました。音楽の力は素晴らしいですね。残念ながら13年前に彼はこの世を去ってしまいましたが、今でも毎年彼の霊前には挨拶に(顔を見せに)行ってます。それくらい無二の親友を、音楽は与えてくれたんだなと思います。今は「私の友達はギターだけ」と周りには言っています。それから数十年、いろんなギターが私の手の中を通り抜けていきました。あまり物にこだわらないので、今手元には4~5台しかありません。でも、ギターを弾いていると気持ちは落ち着きます。これらは今の私の友達です。

 みなさんが、どこかで高校生活を振り返ったとき、夢中に何かを追いかけている姿が残っていれば、それはとても幸せなことじゃないかと思います。だから、何か見つけてください。