滝井通信

今は歌えないけれど~校歌『撫子の花』

2021.05.01

 みなさん、おはようございます。校長の松下です。
 さて、今日はみなさんに滝井高校の校歌の話しをしたいと思います。
 昨年の年明けから新型コロナウイルスの影響で学校活動も大きな影響を受けるようになり、校歌を歌う機会もすっかり無くなってしまいました。学校活動として最後に校歌を歌ったのは、昨年の3月の卒業式の時、今からもう一年以上も前のことになります。ですから、今の1年生はもちろん、2年生もみんなで校歌を歌ったことは一度も無いことになります。本来であれば、この全体朝礼も体育館に全校生徒が集まり、そこで校歌を皆で歌うのですが、しばらくはそれも出来ませんので、今日は校歌の歌詞に込められている想いを、みなさんにお話ししたいと思います。

 校歌は1番から3番まであります。
 まず、歌詞の中に1番から3番まで共通して使われている言葉が一つあるんですが、みなさん、分かりますか?そう、それぞれ最後にある「撫子の花」ですね。「撫子の花」って、みなさん見たことありますか?「撫子」は“やまとなでしこ” という言葉があったり、サッカー女子日本代表の愛称 “なでしこジャパン” に使われていたりと、日本女性を象徴する花として古くから認識されています。本校でも、創立時から学校の象徴として位置付けられ、以前は校章や校旗にも使われていました。ですから、校歌の歌詞にある「撫子の花」は、実はみなさんのことを指しています。
 それでは、1番から順番に、歌詞にどういう意味があるか見ていきましょう。みなさん、歌詞を眺めながら、私の話を聞いてくださいね。

 まず1番の最初の三行の意味です。「雲にそびえるほど高い金剛山が、その裾野を広く広げているように、しっかりとした土台を築いている滝井高校に」という意味になります。「学びや」は、滝井高校のことですね。そして、最後の一行、「咲くもめでたし」ですが、その滝井高校に花をつけておめでたい、つまり、「みなさん、入学おめでとう」ということを表しています。そう、1番は入学してきたみなさんを歌った歌詞なんです。

 では、次に2番を見てみましょう。こちらもまず最初の三行の意味ですが、「脈々と流れている淀川の水よりも美しいくらいの気高さを持ち、伝統の女子教育に一生懸命取り組んでいる滝井高校に」という意味になります。「園のうちに」は、滝井高校のことです。そして、最後の一行、「色も懐し」ですが、「色」はみなさんの姿のことを表し、「懐し」には「可愛らしい」という意味もありますので、つまり、「みなさんの姿はとても素敵ですね」と、在校中のみなさんを歌った歌詞になります。まさに、毎日キラキラしていますね、ということです。

 さて、それでは最後3番の歌詞です。こちらもまず最初の三行の意味ですが、「世の中の見本となるくらい、高校3年間で内面までも美しくなり、成長したみなさんが、卒業して社会に出ても頑張っていくだろう」といった意味になります。そして最後の一行、「姿もやさし」ですが、「やさし」は漢字で書くと“優秀”の“優”です。つまり、「みなさんの姿はとても優美で立派ですね」と、卒業するみなさんを歌った歌詞になります。そう、卒業した後も一生ヒロインですね、ということです。

 分かりましたか?滝井の校歌は、1番がみなさんが入学してきた時を、2番はみなさんの在校中の時を、そして3番はみなさんが卒業する時を歌った歌なんです。とてもいい校歌ですよね。この校歌は、92年前に学校が創立されて以来、多くの卒業生が青春時代の思い出として心に刻んだものです。これからもまだしばらくは校歌を歌うことは出来そうにありませんが、毎日みなさんの登校時には校歌が流れています。みなさんも伝統ある滝井生として、この校歌に込められた思いを理解して聞いてもらったらと思います。

 さて、今日から暦も5月。新年度が始まってからおおよそ一か月が過ぎました。1年生のみなさんはようやく学校にも慣れ、友達も出来てきた頃でしょうか。2年生、3年生のみなさんはそれぞれ学年が進み、上級生になった自覚と今年の目標をしっかりと意識して学校生活に臨んでいることと思います。いよいよ、勉強・クラブ活動・学校行事にと、様々な活動が本格化する時期です。「毎日キラキラ☆一生ヒロイン宣言!」。このキャッチフレーズのように、充実した毎日を送り、色々な経験が出来るよう、みなさん頑張っていきましょう。
 それでは、本日の私の話は以上です。どうもありがとうございました。