滝井通信

花が咲き果実が実る日々

2020.06.29

イチゴが実り 園芸部の部員が 収穫してきました。 彼女の手のひらも 果実も 共に 輝いて見えませんか?
皆さん イチゴの 果実は 赤い果肉の上にのっている 褐色の 粒々(つぶつぶ)です。
信じられますか・・・1個の 花から 数十個の 果実が 実るのです。

赤く熟する前 緑の果肉の上に乗っている粒々には 黒い ヒゲ があります。 これが 雌しべです。
その下の 褐色の 粒々が 熟したものは 果実です 衝撃・・・!
じゃあ いつも 食べている 果肉 の部分は・・・
花の基部が 肥大して 赤くなっているので まるで 本物の果実 のように見えるのです。
悪く 言うと 偽(にせ)の 果実です。

トマトも花が咲き 果実が 実りました。 プチトマトを 買ったつもりが 大粒のトマトでした。
トマトの果実から 被子植物の 基礎基本を 学びましょう。
被子植物の花は 4つの部分からできています。
下から がく 花びら おしべ めしべです。

緑色の トマトの果実には すでに ヘタが 見えます・・・これは 花の どの部分に あたるでしょうか?
緑色をして 葉っぱみたい そう 「がく」です・・・じゃあ トマトの 果実 は何にあたるでしょうか?
花びら おしべ という平たい あるいは 細長い 部分では ないですね (丸々と 太っていますので)。
花の 4つの部分を 順々に 候補(こうほ) からはずしていくと、
残るのは 「めしべ 」です。 (太っためしべだったのか!)

トマトは ナス科の 植物で 花が咲くと ほぼ確実に 実がなります。
しかし マメ科の ネムノキは 花が咲いても 実がなることは少ないので このような歌もあります。
万葉の歌人たちは 植物学者のようですね。

吾妹子(わぎもこ)が 形見の合歓木(ねぶ)は 花のみに 咲きてけだしく 実(み)にならじかも





トマトの 果実は 「がく」と 太った「めしべ」から できています、
花びら と おしべは すでに 落ちています。
果実を ひっくり返して見ると トマトの果実には「へそ」が あります。

この「へそ」は何でしょうか・・・?   太った「めしべ」の中心にあります。
そして 何かが 「取れたあと」 のような 感じがします・・・。
「めしべ」 の中心にあり 花が 終わると 落ちるもの 何でしょうか?
めしべの 「柱頭」 です。 
トマトの 花の写真を もう一度 ご覧ください。

果実を 見ながら(食べながら) 花との関係を 想像してください。
果実の中には 種子(タネ) ができます。
トマトを切ると 中には タネがあります。
柔らかいので 果肉といっしょに 食べます。
スイカの タネのように 吐き出すことはありませんね。

おしまい おしまい