滝井通信

梅雨に咲く花々

2020.06.17

近畿地方が梅雨入りしました。恵(めぐみ)の雨が降る中で、校内で多様な花々が咲いています。
正門を入ったところで、生徒たちを迎えるアオイ科のハイビスカス。その後ろには彩(いろどり)鮮やかな唐辛子(トウガラシ)が控え、その脇にはブーゲンビリアも待機中です。

ハイビスカスの花は、幼い娘ふたりを連れて一家でスノーケリングを楽しんでいた日々を思い出させてくれます。
〜いにしへに なほたちかえる心かな 恋することもわすれやはで〜

校内へと歩を進めると、青紫色が印象的な花が咲いています。これはサフィニアという品種でナス科の植物です。ナス科の植物で青い色が発色するしくみを研究して、遺伝子組換え技術を使ってそのしくみをバラ科のバラに導入して「青いバラ」が人工的につくりだされました。写真からこれが合弁花であることはおわかりですか。

もう少し歩をすすめましょう。大きめのプランターに大きな丸い葉が茂り、白い花が咲いています。
この花がバラ科のイチゴの花です。イチゴは離弁花ですね、花びらが5枚わかれているでしょう。このイチゴは化学を教えてくださっている伊藤先生に提供していただきました。花が終わるとイチゴの果実ができます。

さて、皆さん!ハイビスカスはアオイ科(離弁花ですよ)、サフィニアはナス科、イチゴはバラ科と系統の違った花々が咲いていますが、共通点が1つあります。わかりますか?

花びらがどれも5枚です!(合弁花でも5枚と数えます)。
なんで親戚でもない3種類の花がこんな共通デザインを採用するのでしょうか?
ひとつの仮説は、花に着陸する昆虫を一枚一枚の花びらが滑走路のように誘導するというものです。

6枚の花びらをもつと、滑走路は放射対象なので着陸可能な滑走路は実質3本になるのですが、
(図を描いて考えてくださいね)
5枚の花びらをもつと、着陸可能な滑走路はそれより多い5本になるというのです。

咲き誇る花々も、ヒトがつくった空港のように(昆虫の)発着機数を競っているのかもしれません。
ちなみに、関西国際空港KIXの滑走路は平行2本です。