滝井の人

柴田修一

2016.09.12

 私は現在、軽音楽部の顧問をしています。軽音楽部には個性豊かな部員が、毎年活躍してくれています。彼らの作る音楽は、その年々の色となって、聴いてくださる方に届いていると感じています。また、他校さんとの交流の機会も多く、音楽が好きな私にとって、軽音楽部の活動はとても刺激的です。

 さて、今回は私と音楽の出会いについてお話させていただきます。
 私の一番古い音楽の記憶は、母親の背中でなんとなく聞いていた、坂本九の『上を向いて歩こう』だったと思います。音楽が生きる力を与えてくれる時代だったような気がします。歌は好きでした。心が動くからです。
 
 そして、聴く側から演奏する側に変わったのは、高校1年のときでした。時代の流れに乗って、ギターを始めたことがきっかけでした。当時は洪水のように飛び込んでくるさまざまなジャンルの音楽に深く影響されました。フォーク・ブリティッシュロック・プログレッシブロック・ウエストコーストロックと、挙げたらきりがありませんが、耳に入る音楽はどれも新鮮で、自分の中の世界が広がっていくようで、夢中になって聴いていました。アーティストのライブに行っては、2階席の上のほうから(お金がなかったので、前のほうの席は取れなかったのですが)双眼鏡で、ギタリストばかりを見つめていました。

 私は音楽的センスには欠けていたせいか、ギターはなかなか上手くはなりませんでしたが、ギターをますます好きになっていきました。食事を摂ることも忘れて(もちろん勉強も)、一日中ギターを弾いていることもありました。高校から大学当時の私は、固定のメンバーで演奏することが苦手だったので、ライブごとにメンバーを変えては、小さな場所で演奏していました。そんなことが、今でも私の財産のひとつだと感じています。
 現在も「ギターだけが友達」と、口癖のように言っています。愛用のギターは「マーチンD-28」という優れものです。いつでもいい音を奏でてくれるので、心のよりどころになっています。

 そして、そんな私が軽音楽部員によく言っていることがあります。それは、「友達だから一緒に音楽をやるのではなくて、音楽を通して出会った仲間を大切にしなさい」ということです。性格も趣味も考え方も違う人たちが、音楽を通して出会うことで、かけがえのない仲間になる。素晴らしいと思いませんか。音楽は必ず新しい出会いを与えてくれます。みなさんにも、ぜひそのような経験をしてもらいたいと思います。