Dear my love, Columns
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Osaka International
Takii high school
2020.12.24

人日の節供

人日の節供(じんじつのせっく)  
 
 明日から冬休みです。大変だった年が終わり、まもなく新しい年が始まります。
 
 お正月は、新しい“年神様(としがみさま)”を迎え、前年の平穏な日々に感謝し、新年の豊作と無事を祈る日です。今年はコロナ禍で、平穏ではありませんでしたが、来年は是非穏やかで平和な年になるよう祈りたいものです。
 さて、中国では古来から、正月の1日から6日までのそれぞれの日に、動物をあてはめて占いを行う風習がありました。元旦を鶏の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪(豚)の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日と定め、、それぞれの日に占いの対象となる動物を大切に扱ってきました。そして7日目を人の日として、動物と同様に、人を大切にする日して「人日」という節供にとなりました。
 
 季節の変わり目に、神様にごちそうを供えて祝う日を節句(節供)といいます。その節供の中でも最も重要なものが「五節供」で、「人日」はこの五節供のうちの一つです。本校事務室前に、「人日の節供」の床飾りを礼法の芹田先生に飾り付けをして頂きました。
五節句には1月7日の「人日」のほか、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の「端午(たんご)」、7月7日の「七夕(たなばた)」、9月9日の「重陽(ちょうよう)」が含まれ、今日まで伝承されてきました。本校では、これからも節供ごとに床飾りを披露していきます。
 
 中国では人日の日に七種類の若菜をスープにして食べる習慣がありました。これが日本では7種類の穀物の粥(かゆ)を食べて五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祝う風習となりました。つまり1月7日の朝に「七草粥(ななくさがゆ)」を食べると病気にもかからず、一年を健康に暮らすことができると信じられてきました。
 
「きみがため 春の野に出でて 若奈つむ わが衣手に 雪はふりつつ」
 
有名な和歌にも七草を摘む情景が詠われています。
この時期に食べる春の七草は、一般に
 セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ
の七種類です。むかしは、簡単に薬が手に入らないので、若菜を“生薬”として使っていたといわれています。現在でも七草粥はビタミンが豊富で体に良いとされています。また、正月の食べ過ぎで、負担かけた胃を休ませてくれるありがたい食べ物です。
 現在は、そう簡単に野に出て草を摘むということは難しいです。しかし、スーパーなどにはお正月明けに「七草セット」として並んでいることがあります。皆さんも一度「七草粥」を試してみてはどうでしょう。

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