Dear my love, Columns
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Osaka International
Takii high school
2020.11.19

日本の食文化 「いただきます」「ごちそうさま」

 11月23日(月)は勤労感謝の日です。「勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう日」とされています。実はこの日は、古くからのお祭りである“新嘗祭(にいなめさい)”という日でした。
収穫されたお米などを神様にお供えし、その恵みに感謝して、国の平和や国民の幸せをお祈りするお祭りなのです。現在も宮中をはじめ、日本全国の神社で行われています
 このように古くから日本人は『食』を大事にし、神聖なものとしてきました。そしてお祭りを通して天の恵みに感謝をささげてきました。それは現在の私たちの生活においても息づいています。
 
 「いただきます」「ごちそうさま」は、小さなころから知っている食事の挨拶です。
「いただきます」の『いただく』は、神様にお供えしたものを食べるときに、頂(いただき・頭の上)にかかげたことから「食べる」の謙譲語として使われるようになりました。食べ物にも“命”があるので『〇〇の命を私の命にさせていただきます』という感謝のこころと、食事を作ってくれた人など、携わってくださった人々への感謝のこころを表しています。
 
 「ごちそうさま」は、「御馳走様」と書きます。『馳走』とは走りまわるという意味で、昔は食材を集めるのは大変だったことから走りまわる様子を表しています。やがて、丁寧語の『御』をつけた『御馳走』に、もてなすという意味が含まれるようになり、食事を準備してくれた人への感謝を込めて『様』がつきました。
 
 いつしか食事を始めるとき、食事が終わった後の挨拶として定着しました。外国ではどうでしょう。食事を始めるときに、宗教的な儀式としての言葉をのべる地域があります。また、食事を楽しむための言葉がけが行われることもあります。しかし、「いただきます」「ごちそうさま」のような意味を込めた挨拶を行っているところはないようです。まさに日本独自の食文化を表した言葉だと思います。
 
 このように。食にまつわる感謝の気持ちを持つ日本の習慣は、世界に誇れる素晴らしい文化だと思います。私たちも、日々の食事において、言葉の意味を理解し、いつまでも継承していきたいものです。
 
 
 
 

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