Dear my love, Columns
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Osaka International
Takii high school
2020.10.28

ハレとケ

「ハレとケ」という言葉を聞いたことがありますか。
何のことかよくわからない人も多くいるかと思いますが、「ハレとケ」という概念は日本人の伝統的な世界観の一つなのです。

 古くから、日本人は、普段通りの日常を「ケ」の日、お祭りや年中行事を行う日を「ハレ」の日と呼び、日常と非日常を使い分けていました。
 
 「ハレ」の日であるお正月やお盆、節供などの年中行事、冠婚葬祭や宮参り、七五三などの人生の節目となる儀礼には、特別な衣服を着たり、神聖な食べ物である餅や赤飯を食べたり、お酒を飲んで祝ったりして、特別な日であることを示しました。「晴ればれ」「晴れ着」「晴れ姿」など「ハレ」の気持ちを表した言葉がたくさんあります。
 
 「ケ」は普段通りの生活を送る日ですが、日常生活の「ケ」がなくなり、日々の生活が順調に送ることができなくなることをケが枯れる、すなわち「ケ枯れ(ケガレ)」といい、こうした状態を忌み嫌ってお清めやお祓い(おはらい)等が行われました。「ケガレ」を落とし、単調になりがちな生活に「ケジメ」をつけ、「ハレ」の日を迎える。そうした物事の繰り返しで暮しが成り立っているのです。
 
 日々に「ハレ」と「ケ」があるように、一人ひとりの日々の中にも光の部分と影の部分があります。悪いことが起こると「明日はきっとよくなる」と自分を励ましたり、良いことが起こると「いいことばかりつづかない」と喜びすぎるのを戒めたりすることがあります。まさに、
「禍福はあざなえる縄のごとし」 です。
 
 現代では「ハレ」と「ケ」の区別がだんだんと曖昧になり、衣食などはハレが続いていると言われています。これからの日本がどんな生活文化を持つ社会になれるかどうかは私たちに係っていると言ってもいいでしょう。
 
 

 
 
 
 
 

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