Dear my love, Columns
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Osaka International
Takii high school
2020.06.30

七夕飾り

 七夕(たなばた)といえば、織姫と彦星が、年に一度だけ会うことができるというロマンチックな物語です。毎年7月7日の夜に、願い事を書いた短冊や七夕飾りを笹の葉につるし、星に祈る習慣が各地行われています。
 
 五節句の一つとされる七夕は、日本古来の「棚機(たなばた)」と、中国の「貧巧奠(きこうでん)」とが一つになったものといわれています。
 日本古来の棚機(たなばた)は禊(みそぎ)をおこない、穢(けが)れを清める行事です。農村の娘が水辺の小屋にこもり、着物を織って棚に供えます。神様を迎えて豊作を祈り、村の人々の穢れを清めるのです。着物を織る際に使用されたものが、棚機という機織り機でした。
 貧巧奠(きこうでん)は、織姫にあやかり機織りや裁縫の上達を祈る中国の行事です。のちに世には機織りや手芸だけでなく、芸事や書道といった手習い事の上達を願う行事となりました。
 
 奈良時代に貧巧奠が日本に伝わると,棚機と融合し、七夕(しちせき)と呼ばれる宮中行事になりました。七夕(しちせき)は、星に祈りをささげ、五色の糸や金銀の針、山海の幸を供える行事です。供物の祭壇には笹が立てられ、五色の糸がかけられます。また、梶の葉に和歌をしたため祀りました。この五色の糸と梶の葉が、笹飾りの始まりと伝えられています。室町時代になると、宮中行事である七夕、そして織姫と彦星の物語が民間に伝わり、広く行われていた棚機にちなみ、七夕(たなばた)と読むようになったと言われています。
 
 五色の糸は江戸時代から五色の短冊が使われました。五色は、「青・赤・黄・白・黒(紫)」のことをさし、古代中国の陰陽五行説に基づいた色です。陰陽五行説とは、すべての者は「陰」と「陽」の相反する2つの側面をもち、「木・火・土・金・水」の5つの要素を根源とする説です。「木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒(紫)」を表しています。この五色の短冊や吹き流しに使用することにより、魔よけの意味を持たせたといわれています。
 
 本校では、礼法の時間に日本の年中行事を学習します。七夕をはじめとする五節句のことも学び、同時にそれぞれの飾りを披露しています。5月の「端午の節句」飾りは臨時休校期間でしたのでお披露目できませんでしたが、今回「七夕の節句」飾りは事務室前に本日より飾っています。
くらしの中に季節感の乏しくなった昨今、節句の飾りをし、季節の料理を味わいながら、人と人との絆を深めるよい機会にしたいものです。

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